セルフメディケーション シリーズ 対談:真のセルフメディケーションの浸透を目指して

セルフメディケーション シリーズ 対談:真のセルフメディケーションの浸透を目指して

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連載Vol.1 大切なのはエビデンス 医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー医薬情報部門責任者 堀 美智子氏(薬剤師)

医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー医薬情報部門責任者 堀 美智子氏(薬剤師)

連載Vol.1 大切なのはエビデンス

Q:
本日は、堀先生の薬局でお話を伺います。どうぞよろしくお願いします。先生との出会いは、初めて「ドクターズチョコレート」を日本橋三越本店でお披露目した2012年でしたね。
A:
ええ。私、そもそもチョコレートがとても好きで。あの時、薬袋のような紙袋に入った「ドクターズチョコレート」の素朴さに惹かれて購入し、バレンタインにいろいろな方にお贈りしました。その後、リニューアルされた商品を医事評論家の先生に紹介したら、ご自身も糖尿病でこれは堂々と食べられていいやとおっしゃって、とても気に入ってくださいました。
Q:
いつも弊社商品を可愛がってくださって本当にありがとうございます。おかげさまで「ドクターズチョコレート」は、さまざまな機能性食品と並んで多くの薬局に置いていただけるようになりました。ところで、国の施策の影響もあり、セルフメディケーションに力を入れる薬局が増えていますね。先生は、この流れを、どのようにご覧になっていますか?
A:
薬局の「先祖返り」と言えるかもしれません。本来の薬局は地域医療を支える存在で、ちょっとした体調不良も相談できる医療情報の拠点でした。それが皆保険制度導入後、病院に行けば検査をしてもらえる上に、薬局よりもはるかに安い自己負担で薬が買えるようになり、薬局離れが進行。それが再び、超高齢化社会となり医療費が重くのしかかり問題になってくると、病院に行く前に自分で病気を予防しよう、生活習慣を改善しよう、という時代がきました。正しい情報や、健康に役立つ食品などを提供できる機関として、いま薬局の役割が見直されているのです。でも先祖返りと言っても、一般の人と専門家の持っている情報量に圧倒的な差があった昔とは違います。とんでもないデマも含め、大量の医薬情報がインターネット等であふれている現代において、両者の差は、情報量ではなく、「情報評価能力」の差なのです。食品にしても、行き過ぎた宣伝を信じてしまう方が多いですから、エビデンス(科学的根拠)を正しく伝えていくのが薬局の役割でしょうね。
Q:
情報過多で何を信じたらいいか分からない時代ですから、薬剤師の先生方が道しるべを示してくださっているわけですね。
A:
従来は医療用の医薬品や OTC医薬品※ が中心でしたが、病気予防のための「生活習慣改善」が目的となると、機能性表示食品やサプリメントも必要です。これらを賢く利用できれば、日常の我慢を強いられることなく、生活習慣を改善することが可能だと思います。
※OTC医薬品:
カウンター越しに(Over The Counter)薬を売る一般の市販薬のこと

VOL.2 へ続く >>

堀 美智子(ほり・みちこ)
プロフィール
医薬情報研究所/(株)エス・シ・シー医薬情報部門責任者。1994年に薬剤師の夫や帝京大学医薬情報室に勤務していた仲間と東京都八王子市で株式会社エス・アイ・シーを設立し、取締役に就任。情報の種を撒く会社として、書籍やデータベースによる医薬情報提供等を行う。ラジオ番組「健康ネットワーク」(ラジオNIKKEI)には、パーソナリティとしてレギュラー出演。月刊誌『調剤と情報』(じほう)など複数の専門誌に記事を連載。2017年初頭にスマホ用アプリ「スマ的健康ライフ」を発表、セルフメディケーションの普及を推進している。同社は薬局2店舗(公園前薬局、公園前薬局暁店)も経営。社員約20人の半数以上を薬剤師が占めるという、卓越した会社である。

医薬情報研究所/(株)エス・アイ・シー
https://www.sic-info.co.jp

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