地域医療を支える薬局を目指して - 8.「薬を出して終わり」ではない薬剤師に!

地域医療を支える薬局を目指して - 8.「薬を出して終わり」ではない薬剤師に!

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連載Vol.8.「薬を出して終わり」ではない薬剤師に!

狭間研至先生 (医師 / ファルメディコ株式会社代表取締役社長)

連載Vol.8.「薬を出して終わり」ではない薬剤師に!

池田
先生の仰る「かかりつけ薬剤師」像が見えてきました。
狭間
先ほども言いましたが、自分の出した薬に責任を持つということが大事です。人によって責任の捉え方は違うと思いますが、僕は、医者が決めた薬でも、薬剤師自身が精査して「この患者さんに出す意味があると思って処方した薬なのだから、それがちゃんと飲めているかどうか、副作用は出ていないか、効き目は出ているか」を確認する必要があると考えています。そしてそれを医者にフィードバックする、それが責任を持つということ。薬を渡して終わりではなく、次につなげるべきところへつなぎたいですね。
池田
人の命に関わることですし、とても重要なことですね。
狭間
困難な道のりかもしれませんが、薬局は変わっていかなければなりません。ただ、これは薬剤師だけの問題ではなく、調剤報酬などの仕組みや社会制度のありかた自体にも関わってくることです。僕は自分で診療して、薬局の社長もしているので、何が一番いいか、どう変革すべきかを、頭の中で立場を入れ替えながら目まぐるしく考えています。「困った時には薬局へ」をキャッチフレーズに、薬剤師が地域医療の中で重要な役割を果たせるよう、新しい医療環境を作りたいと思います。
池田
医師と薬局経営者という狭間先生ならではの視点で、貴重なお話を伺うことができました。これからの薬局と薬剤師が担う役割について、熱く、真摯に取り組まれているのを肌で感じることができて嬉しかったです。今日はどうもありがとうございました。
狭間研至先生

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狭間 研至(はざま・けんじ)
プロフィール
ファルメディコ株式会社代表取締役社長、医師、医学博士。1969年大阪生まれ。1995年大阪大学医学部を卒業後、大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院(現 大阪府立急性期・総合医療センター)、宝塚市立病院にて外科・呼吸器外科診療に従事。2000年大阪大学大学院入学、異種移植をテーマとした研究・臨床を行う。2004年より薬局経営に従事。現在は医師として診療を行いながら、一般社団法人日本在宅薬学会の理事長として薬剤師生涯教育や薬学教育に携わるなど、新しい医療環境の実現に向け幅広い活動を行う。著書に『薬剤師3.0 地域包括ケアを支える次世代型薬剤師』(薬事日報社)、『薬剤師のためのバイタルサイン』(南山堂)など多数。

「調剤薬局ジャーナル」2019年11月号より転載

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