日本経済大学経営学部長兼同大学院教授 赤瀬氏

日本経済大学経営学部長兼同大学院教授 赤瀬氏氏

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連載Vol.4.社会人として、ごく当たり前のことをやればいい

日本経済大学経営学部長兼同大学院教授 赤瀬氏

連載Vol.4.社会人として、ごく当たり前のことをやればいい

池田
最後に、薬局勤務の薬剤師さんに向けてメッセージをいただけますか。
赤瀬
「良い薬剤師である前に、良い医療人であれ。良い医療人である前に、良い社会人であれ」。これに尽きると思います。これからの薬剤師に必要なのは、医療人としての「覚悟」、社会人としての「矜持」です。
医療人であっても社会で起きている潮流に疎ければ、生き残ることは困難です。法律に従って仕事をするだけという姿勢は幼稚な気がしますし、まずは社会人として成熟していなければいけない。
池田
その「社会人として成熟」という部分、違う目線にドキッとする人もいそうです。
赤瀬
ドキッとしてほしい人に限って何も感じないかもしれません(笑)。国が医薬分業を政策的に進めた弊害として、単なる作業をするだけの薬剤師が生まれたのかもしれませんね。しかし、処方箋通りに薬を出したら完結する仕事は、いずれ機械に取って代わられます。
医療人としての覚悟をもって薬局に勤務する人が大多数という状況になって、はじめて薬局は地域における医療提供施設としてのポジションを獲得できるのではないでしょうか。今やらなければ、薬剤師という仕事は将来なくなるかもしれないという危機感が必要です。
池田
とはいえ、対面の仕事に覚悟をもてというのは重い言葉ですね。薬局も薬剤師さんも非常に変化を求められる時代ですね。
赤瀬
毎日が変化と進化、それくらい変化が激しい業界になってしまったといえるでしょう。薬剤師である前に医療人、社会人として、ごく当たり前のことを実践する。それを継続することによって自ずと道は拓けるだろうと、私は信じたいと思います。
赤瀬朋秀氏

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赤瀬 朋秀(あかせ・ともひで)
プロフィール
日本経済大学経営学部長、同・大学院経営学研究科教授、博士(臨床薬学)、MBA(経営学修士)。日本大学理工学部薬学科を1989年に卒業、慶應義塾大学病院での研修を経て北里大学病院薬剤部に入局。2000年に同院を退職し、2003年に日本大学大学院でMBA、北里大学で博士号を取得。同年に社会福祉法人日本医療伝道会総合病院 衣笠病院に入り翌年から薬剤部長。2006年に済生会横浜市東部病院薬剤部マネージャー、2012年に日本経済大学大学院教授となり2016年に経営学部長に就任。明治薬科大学(客員教授)をはじめ、複数の大学で教鞭を執る。著書に『あと10年正念場の保険薬局』、『薬局経営読本』(共著)など、多数。

「調剤薬局ジャーナル」2021年1月号より転載

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